医学部の偏差値だけで難易度は図れない
具体的に医学部を目指そうと考えたとき、多くの人が「国公立と私立大学のどちらを選ぶか」ということに頭を悩ませることになるでしょう。
同時にそれぞれの大学の偏差値を調べ、その数字を参考に「ここを受けてみよう」、「ここは難しそうだからパス」などと考えるのではないでしょうか。
偏差値は確かに一つの参考にはなりますが、受験先の選択は偏差値の数字だけで決めることはできません。なぜなら、偏差値と合格の確率は必ずしも比例しているわけではないからです。
まずは、「偏差値が高い=合格するのが難しい」という認識を改めましょう。
そういう側面もありますが、そのことに意識を引っ張られすぎると医大や医学部の選択を間違え、自分とは合わない医学部を受験してしまうかもしれません。
国公立と私立の医学部の明確な違い
国公立大学の医学部と私立大学の医学部との違いを、偏差値や倍率などはもちろん、学費や受験科目等にも触れながら説明していきます。
学費
国公立大学と私立大学で最も差が激しいのは学費です。
国公立大学であれば医学部でも6年間で350〜360万円ほどで済みます。一方の私立大学は大学ごとに大きな差がありますが、平均で3,000万円以上かかってしまうのです。
安い大学でも1,900万円以上かかりますし、高いところでは4,500万円以上の学費が必要となる私立大学もあります。
予備校の費用も決して安くはありません。
医学部を目指してから卒業するまでにかかる費用は非常に大きなものになると認識しておきましょう。
ですが、医学部予備校の中にもメディカルフォレストのように費用が安いくて、合格率が高い予備校も存在します。
メディカルフォレストの学習環境や教育方針はこれまで多くの方の支持をいただき、おかげさまで開校以来、東京大学、東京医科歯科大学、千葉大学、群馬大学、慶應義塾大学、順天堂大学、昭和大学、日本医科大学、東京医科大学、東京女子医科大学、東邦大学など、700名を超える合格者を大学へ送り出してきました。
出典:https://medicalforest.com/
受験回数
国公立大学では、センター試験と、前期・後期試験の計3回試験を受けなければいけません。ちなみに前期は学科試験、後期は小論文や面接が中心となっていますが、大学ごとに若干の違いがあります。
一方の私立大学では、これも大学ごとに違いがあります。1度の受験で合否が決定するケースもあれば、センター試験などを導入している大学、後期入試を実施する大学など国公立大学よりも受験パターンは様々です。
受験回数や受験日程を把握しておくことで、特に私立大学は複数の大学を受けることも可能となります。
現役での医学部入学を最優先するのであれば、こうした日程もリサーチした上で受験のスケジュールを組み立てていかなければいけません。
偏差値
医学部の偏差値ですが、多くの人は国公立大学の方が偏差値が高いと思っているのではないでしょうか。確かに、東京大学や京都大学、大阪大学などは非常に偏差値が高く、70を優に超えています。
しかし、私立大学も慶應義塾大学や東京慈恵会医科大学などは偏差値70を超えており、一部の私立大学は国公立大学の上位とそこまで大きな差はありません。
上位10校のうち2〜3校ほどが私立大学の医学部で、残りは国公立大学と考えるといいのではないでしょうか。偏差値を重視するのであれば、狙いは国公立大学となりそうです。
倍率
受験する際に注目したいのが倍率です。偏差値の高い大学が多い国公立では合格が厳しいと思われがちですが、倍率を見てみると必ずしもそうは言い切れない事情があります。
大学ごとに差はありますが、国公立大学の倍率は10倍前後が相場です。低いところでは3倍を切る国公立大学もあります。
私立大学は、逆に一桁の倍率の医学部を見つける方が難しく、10倍や20倍は当たり前だと思っておいた方がいいでしょう。一部大学では倍率100倍を超えるところもあるほどです。
私立は大学ごとに受験日程が異なるため、複数の大学を受験することができます。
国公立大学を受けた人も私立大学に出願するケースや、1人の受験生がいくつもの私立大学を受験するケースも多いため、私大は倍率が非常に大きくなってしまうのです。
受験科目と出題傾向
まず国公立大学ですが、上でも少し触れたように、まずはセンター試験を受けるのが基本となっています。このセンター試験では5教科7科目を受験します。国語、英語、社会1科目、数学2科目、理科2科目ですね。
このあと大学ごとの個別試験に入り、前期では多くの大学で英語、数学、理科2科目の試験を実施。中には国語が入ってくる大学もあります。後期にも学科試験を課す大学が一部あることも知っておきましょう。
センター試験は共通ですが、個別試験の内容に関しては大学ごとに異なります。難易度もそれぞれなので、なんとも言えません。
私立大学は、英語、数学、理科2科目の個別試験のみを実施している大学が多くなっています。
国公立と同様にセンター試験を一次試験とする私大もありますし、前期と後期に分けて試験を実施している私立の医学部もあります。
出題傾向は、国公立試験よりもクセの強い問題が多い傾向があるので、それぞれの大学に合わせた対策が必要になってくるでしょう。
研究設備
国公立大学の運営母体は国や自治体です。つまり、公の機関が税金によって設立・運営しているので、安い授業料で質の高い授業を受けることができるわけです。そのため、研究設備等も非常に充実しています。
国からもらえる科学研究費なども非常に莫大な金額のため、研究に関する設備や環境は国公立大学の方が充実しているのが現状でしょう。
私立大学も、決して研究設備が整っていないわけではありません。しかし、国公立大学のような莫大な科学研究費を受け取れるわけではないので、大学によってはなんとかやりくりしているところも少なくない現状があります。
教員とのかかわり
意外と盲点となりがちなのが、医学生と教員とのかかわり方の違いです。
国公立大学は生徒の数に対して教員の数が充実しており、学生1人1人に目が行き届きやすくなっています。私立大学では教員数が学生数に対して国公立大学ほど多くはありません。
希薄とまでは言いませんが、少しかかわり方が薄くなってしまうこともありそうです。
どちらかと言えば私立の医学部の方が入りやすい
国公立大学と私立大学、それぞれの医学部について違いなどを比較しながら説明してきました。
偏差値が高い国公立大学は倍率が低い傾向があり、逆に私立大学は倍率が非常に高い医学部もあることがわかったと思います。問題は、どちらの方が合格しやすいのかという点ですね。
一概には言えませんが、どちらかと言えば、やはり私立大学の医学部の方が入学はしやすいでしょう。
偏差値の低い私立大学も多いですし、倍率の高い私大も滑り止め目的で併願している受験生が多く、志望校に受かれば辞退するため自分にチャンスが回ってくる可能性が高くなります。
何よりも同じ年に複数の私大を受験できることが、入学しやすい最大の理由です。
少なくとも国公立大学一本に絞るのは控え、現役で医学部に入りたいのであれば、私立大学を中心に複数受ける形がいいのではないでしょうか。
受験科目も私立大学の方が少ない傾向があるため、より対策しやすくなるというメリットもあります。
医学部合格に必要な勉強時間はどれくらい必要なのか?についてもこちらで説明していますので、国立か私立を検討す得る前に一度見ておくと良いかもしれません。