2008年甘粛省視察・評価報告
2007/2008年度の中国甘粛省での植林事業は、コスモ石油エコカード基金と(社)国土緑化推進機構「緑の基金」の支援を受けて行われました。8月31日で完了した国土緑化推進機構の支援は、9月1日からは陝西省で引き続き活動助成をしていただきます。今回の視察は、2008年6月29日から17日間にわたり、北谷勝秀理事長、北谷昭子理事及び原道宏岩手大学名誉教授(土壌・水の専門家)と原穂波顧問によって行われ、吉林省、北京、陝西省楡林、西安、甘粛省を尋ねました。ここでは甘粛省に関する報告をいたします。

甘粛省蘭州市にて会合
今回の評価活動では、植林後の苗の根付き具合を視察することに加えて、今までの取り組みや問題解決など、現地関係者と討論することでした。甘粛省蘭州市にて、中国のカウンターパート、「中国人口福利基金会」(苗霞女史、李暁林女史他)、「中国人口計画生育協会」(何賢明氏他)、「甘粛省人民政府代表」(発展改革委員会、財政庁農業処、林業科学院、森林局代表他)を交て活発な討論が行われました。内容は主に、今迄の取り組みや、将来への計画についての質疑応答、討論などで、政府関係者の発言は次のようなものでした。

- 2050を通じた支援(コスモ石油エコカード基金、緑の募金)及び中国独自の基金(中国人口福利基金会、中国緑化基金会)による甘粛省通渭県における植林活動は、NGO、政府管理部門、貧困農家、植林のために設立された農林科技公司を含めた上記四者の共働により、既に緑化と貧困解消に向けた効果を発揮しつつある。
- 当プロジェクトは、甘粛省林業科学研究院及び著名な沙棘研究者たちによって「環境改善にとり、また貧困解消に向けて十分な意義がある」との折紙がつけられた。
上記に続いて、「誰が植林し、誰が管理し、誰が受益を得る」という農民の自助努力を涵養することや、省発展改革委員会が通渭県の植林のために、2007年12月に15万元の財政支援を許可し、今後とも支援を継続することなどが述べられました。これからは各政府機関(省レベル・県レベル)が一層協力し、植林推進のための財政支援を積極的に検討し、今後も継続していくという決意が述べられました。
通渭県苗木基地
欽山農林科技公司(蘇本山氏)によって設立されたこの苗木基地は100畝の面積に、東北地方から購入した210,000株の苗木(親木)を育てています。2007年度はそれによって60万本の苗を挿し木によって育て、今年は既に90万本の挿し木を行いました。全体では300万株育てる予定です。
6月28日に雄と雌を分けて挿し木を開始しています。その際、枝をつみとる親木には特にたっぷりと撒水をしているとの報告がありました。親木も苗も順調に成長していました。また、苗木基地の裏にある植林地(2007年10月に植林)では苗の根付き率が80%と、雨水のみに頼っていますが順調に成長中でした。

甘粛省の今後の活動
この先5〜7年の間に45万畝の植林を行い、年間10万トンの沙棘を加工できる工場を建設したいとして、第二期の計画が述べられました。第二期計画とは、2014年から2020年までに植林地を100万畝に拡大し、沙棘科学研究、製薬、食品加工、美容化粧品などの系列産業を設立、農家の収入を年3000元以上にするよう計ることで、9万戸の家庭(40万人)に恩恵をもたらすことが可能だとされているもので、今後も引き続き活動展開を行っていくという広大な計画です。これに関して甘粛省政府は小渕基金の支援を申請したいという希望を持っています。
まとめ
今回甘粛省の視察で明らかになったことは、現地の体制が整い、今後の植林活動は順調に行われるであろうとの予測が得られたことです。中国政府各組織、機関による協調・自助努力・資金提供にも希望が持てます。更に事業拡大に際しても危惧のないこと、実施機関である欽山農林科技有限公司(蘇本山氏)も事業処理能力が向上し、苗木の提供、植林後の管理にも希望が持てることなどが伺え、有益な視察・評価になりました。



