2009年度最初の技術指導を4月20日から30日にかけて、北谷理事長、北谷昭子理事、原穂波技術顧問の3名をパラワン島に派遣して行った。これは昨年度最後の技術指導を2月に行ったものを受けての、仕上げの段階への移行であった。
プエルトプリンセサ
パラワン島到着は航空機の遅延により午後6時過ぎとなり、当日はヘレン会長とネグロス島のオイスカから派遣された2名の研修生との打合せに止まった。オイスカは2月に2050がオイスカのプロジェクトを訪問したのを受けて、地機の技術を学ぶべく研修生を派遣してきたものであった。翌日からは会員8名が参加し、オイスカの2名が見守る中、持ち寄った作品の点検・評価を行い、それから、オリビエ織機による作業の復習を行った。これは縦糸の選別、張り方、織り方など基本点に戻っての練習である。午後は、整経機に縦糸をかける作業に入るが、ここでは間違いが頻発し、やり直しをすること数回でようやく夕暮れ時に完了。
翌日は、製品の仕上げに「ハンドアイロン」を使う方法を指導。同時に、細部の仕上げの方法も伝授。その後は、整経機から地機に縦糸を移す作業に入り、午後からは地機織りの練習を予定していたが、オイスカの職員の一人が急遽アボーランにあるオイスカ事務所を訪問することになり、ついでに、ヘレン会長のセンターを訪ねたいというので、ヘレン会長が同伴することとなった。前もっての相談や予告が不十分であったことから、2050側は作業予定の変更を迫られ、地機の練習は後に残った会員たちによって続行することとなった。ここで浮上した問題点は、フィリッピン農村部の女性たちの口が重く(英語が比較的流暢でない)、連絡、相談、報告などが不十分になり勝ちなことである。
プエルトプリンセサの最後の日は、今後の活動のための打合せを行った。
ポートバートン
ポートバートンには25日の正午過ぎに到着。プエルトのトレーナーのうち、ヘレン会長とグローリア・ベルナス副会長が同行。午後は居合わせた会員たちと持ち寄った製品の品評をし、編み物に専心する会員たちに練習用の毛糸を配布し、指導を始めた。
翌日からは、他の会員も参加し、編み物の練習、縦糸の仕分け、2時間にわたる整経機の作業を行った。その後は、整経機から地機に縦糸を移転し、更に2時間の織りの練習を行った。ポートバートンの会員たちも技術の進歩が目立ち、編み物をする会員も増え、地機による織りの練習にも力が入ってきている上に、つむいだ糸の品質は飛躍的に良くなってきているので、先行きは明るいといえよう。但し、ポートバートンでの宿題は糸つむぎをする会員の人数を増やすことだが、これも、徐々に解決の方向に向かっている。
カバユガン
ポートバートンからプエルトプリンセサに帰る途中にカバユガンにあるニトール夫人のエリ蚕センターに立ち寄り、昨年の台風により破壊されたセンターの再開状態を視察し、様々な指導を行った。ニトール夫人は夫の協力を得て、約3ヘクタールの土地にキャッサバを植え、飼育小屋を補強して、現在約500匹の蚕を飼育中であった。さらに、約75匹の蛾が羽化し、産卵の時期に入るところであった。予てからの予定通り、このセンターを、アボーランと同様に、糸つむぎと技術移転の拠点にすべく、糸つむぎの練習も開始されていた。今後は2台のつむぎ器を新たに導入して、糸つむぎセンターとして一刻も早く独立できるように指導を行った。同行したグローリア副会長が今後は専心してカバユガンの技術指導を行うことに決定。新たな展開としては、夫のニトール氏が夫人の事業に協力する意向を示しているので、カバユガンが今年末までには、センターとして活動することが期待出来ることとなった。
まとめ
前回の2月における技術指導から1ヶ月半たっていたが、製品の質には向上のあとが見られる。この期間中に40枚のスカーフが完成していた。上質のつむぎ糸の生産と、手抜きをしない製作態度、そして、NPO2050と絶え間ない連絡、報告、相談を期することが今後の宿題として残ることとなったが、全体的には将来に対して明るい展望が持てるものであった。
